働き方選択制度の紹介
1.働き方は、かつてないほどに多様化している
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、私たちのライフスタイルは大きく変化しています。
一部の業種を除いて、基本的に会社に出社することを必要としない「在宅勤務」を導入する企業が増えつつあります。また、出勤が必要な場合も「時差出勤」など、密集を避け感染の拡大を防ぐなどの取り組みが「新しい生活様式」として推奨されています(厚生労働省HP「新しい生活様式」)
感染の拡大以前から、働き方改革の必要性は様々な観点から謳われてきました。例えば昨今の東京一極集中の進行は、都市部と地域の経済格差を生み出し、労働人口の都市部への流入という形で核家族化を加速させています。女性の社会進出も、その流れに拍車をかけているようです。
その一方で、特に若い世代を中心とした「地方回帰」への流れもまた、近年加速しています。今や個人のライフスタイルはかつてないスピードで多様化しており、それに伴って、求められる働き方もまた、多様化してきていると言えるのではないでしょうか?
核家族では、育児の役割の負担が大きくなりますし、近年進行している少子高齢化は、老老介護や介護離職と言われる新たな社会問題を生み出しました。一方で、我が国では働く時間や場所などの制約が依然強く、このことが、介護や育児を理由とした離職率の上昇に拍車をかけています。
以上のことから「朝決まった時間に、決まった場所に出勤して、決まった時間に退社する」という従来の発想からの転換が今、強く求められていると言えるのではないでしょうか?
2.ベストな働き方は、一人ひとり違う
時差出勤やテレワーク・リモートワークなどの新しい働き方は、今後高い確率で予想される新型コロナウイルス感染症拡大の第二波・第三波への対策として、今後も推奨され、定着していくことが予想されます。
新しい働き方の必要性は、新型コロナウイルス対策のためだけにとどまりません。
生活スタイルに応じた柔軟な出勤時間や、働く場所の多様性を確保することは、従業員の離職を防ぎ、企業・従業員の双方にメリットをもたらしてくれそうです。
例えば、幼稚園の送り迎えが必要なお母さんにとっては、幼稚園の近くでデスクワークができれば、仕事と育児の両立がしやすくなるでしょうし、送り迎えの時間に合わせて勤務時間を設定することができれば、プライベートが仕事の制約を受けることも少なくなりそうです。
あるいは、午前中は介護が必要な家族の為に自宅で働き、午後からは近くのシェアオフィスで集中して作業に取り組む、といった、生産性の向上に役立ちそうな働き方もあるでしょう。
さらには「ライフワーク・バランス」、つまりプライベートと仕事の両方を充実させることで、仕事の質と従業員の生活の質、双方を高めていこうという近年の働き方改革の流れも、一人ひとりにあった働き方の重要性を物語っています。
このように、現代の多様化したライフスタイルは、「ベストな働き方は、一人ひとり違う」という新しい価値観への転換を、企業・従業員双方に求めていると思います。
3.当社の取り組み「働き方選択制度」
当社では「働き方選択制度」の名称のもと、それぞれの事情に合わせた働き方をサポートできる制度づくりを進めてきました。
この制度には大きく二つの方向性があります。
ひとつは働く「場所」の制約を取り除く、というもので、もう一つは働く「時間」の制約を取り除くというものです。
従業員はメインの勤務地をまず指定して、そのメイン勤務地を中心に、会社が設けた条件を満たす別の勤務地でも働くことができます。選択肢は複数用意しています。
複数の選択肢について、詳しくご紹介します!
①渋谷本社
渋谷本社は、渋谷駅から徒歩6分の距離にあり、アクセスが便利な場所に位置しています。
当社では、2020年2月26日から、渋谷への出社は原則禁止とし、ほとんどの社員がテレワークで働けるように環境やしくみを整えてきました。
そのため、「本社じゃないと勤務できない」というケースは少数です。会社で働く仲間が集まるハブとしての役割を大きく担っている勤務場所になっています。
②anyplace .work 富士吉田
「anyplace.work 富士吉田」は、当社が山梨県富士吉田市で運営するコワーキングスペースです。3面ガラス張りの自然豊かな仕事場なので、室内にいても、まるで外にいるような開放感を味わいながら仕事をすることができます。一般の方にもご利用いただいているので、新しいコミュニティが生まれたり、突発的に仕事のコラボレーションが生まれたりと、「新しいこと」にチャレンジするのに適した勤務場所になっています。
③自宅
在宅勤務で働くことを基本にする働き方です。自宅で働くことにより、プライベートと仕事の両立をしやすい環境の中で、仕事をすることができるようになります。子育てや介護など、プライベートな事情を抱える従業員も会社の中で活躍できるようにするために、自宅で働くことができる選択肢を用意しました。ただ、自宅での就業は、プライベートと仕事の境界線を設けるのが難しいと考えているため、事前に仕事場にふさわしい環境が整っているかどうかを会社が判断することになっています。
④anyplace設置地点
従業員はanyplaceが設置されていれば、どこでも働くことができます。
設置地点は全国47箇所(2020年6月4日現在)。今現在も設置箇所を増やしているので、時が経つほどに、働く場所の選択肢は増えています。anyplaceを活用すれば、「誰が・どこで」働いているのかを、クラウドのツールからリアルタイムで確認することができるので、上司や同僚と離れた場所で働いていても、バーチャル上のオフィスで繋がっているようなイメージを持つことができます。いつもと働く環境を変えることで、仕事の効率を上げたい、といった使い方や、旅先のanyplace設置地点で働いたあとに地域のイベントに参加するなどの働き方が可能です。
⑤サードプレイスオフィス
サードプレイスとは、自宅(第一の場所)でもオフィス(第二の場所)でもない、「第三の場所」という意味です。サードプレイスオフィスの働き方は、「自宅に働く環境を整えることができないし、オフィスの場所は自宅からちょっと遠い...」という場合に、自宅から近い場所にあるコワーキングスペースの月額会員となって、自分用のオフィス空間を自宅近くに設けるようなケースを想定しています。自宅でも会社でもない「サードプレイスオフィス」を仕事場にすることで、従業員にとって利便性の高い場所をオフィスとして認める仕組みです。
「働き方選択制度」の「働く場所」に関しての制度導入は、すでにテレワーク・リモートワークを導入していた経緯から比較的仕組みの構築がスムーズにできたため、2020年6月11日予定です。
「働く時間」についての制度導入は、フレックスタイムなどの勤怠管理にかかるシステムの導入が必要なため、約一ヶ月後の2020年7月13日以降の見込みです。
4.まとめ
新型コロナウイルス感染症が拡大する前から、私たちは「自分らしい働き方」を模索し続けてきました。「テレワーク・リモートワークの推進」はそのひとつの実践であり、実際にその仕組みを作っていく中で、「ベストな働き方は一人ひとり違う」ということを強く意識するようになりました。
価値観が多様化し、目まぐるしく変化する今日の社会の中で、従来どおりの画一的な働き方を従業員に求めるのではなく、働く場所と時間の選択肢を増やしていくことを通じて、一人ひとりがイキイキと働くことができる環境づくりを目指していきたい。
アフターコロナの時代、今後ますます多様化していくであろう価値観や生活スタイルに合わせて、企業の側もまた、柔軟に変化していく必要があると思っています。
私たちが推進する「働き方改革」は、その実践のひとつなのです。
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