さまざまな場所で働くことについて

松永：さまざまな場所で働くことを可能にしているツール・環境について教えてください。

藤井：基本的に仕事で使うデータはクラウド上に置いておくことにしています。そうすれば、いつでも・どこでも・どんな端末からでも確認できますし、うっかり自宅のデスクトップにデータを置いてしまって、出先で仕事ができない、なんて事態も避けることができます。

データを置くときは、頭の中で3つの収納場所をイメージしています。3つとは、「机の上にあるファイル」「棚にあるファイル」「とりあえず入れておく箱」です。それぞれ適したツールを使いデータを保存しています。

「机の上にあるファイル」はEvernoteです。見たいと思ったときに、パッとインデックス付きのファイルを開くイメージです。すぐに開けるので、よく使う契約書テンプレートや、よくある質問と回答、顧問契約を開始するときの手続きの流れについての説明文、を入れています。タグをつけて管理をしているので、分かりやすいですね。

「棚にあるファイル」はboxです。クライアントごとに共有フォルダを作成して、その中で案件毎に個別のフォルダを作成して、ファイルを共有・整理しています。boxはクライアントとファイルを共有・整理するのにいいツールだなと思っています。複数名で同時編集もできますし、修正したファイルを上書き保存したときにバージョンで管理してくれる点が便利です。過去のバージョンにいつでも戻ることができるので、「修正前はどうだったっけ」というときにすぐ確認することができますし、古いバージョンを新しいバージョンに上書きしてしまう「先祖返り」の心配もありません。

最後に「とりあえず入れておく箱」はGoogle ドライブです。この箱には、仕掛品などなんでも入れます。机の横にある段ボール箱のようなイメージですね。

そんな風に、複数のツールを組み合わせてベストな仕事環境をつくっています。全てインターネットの環境があれば、端末を問わないという点が大きなポイントですね。ちなみに、スケジュール管理はGoogle カレンダーを利用しています。

松永：さまざまなツールを組み合わせて、自分に合った使い方をされているのですね。環境面では、なにかこだわりというか、気を付けているポイントはありますか？

藤井：ストレス耐性が高いので、どんな環境下でも仕事ができるんですよね。なので、家にいるときは音楽をかけたりして仕事をしていますが、必ず必要というわけではなくて、タイの屋台とか、騒がしいところでも全然問題なく仕事ができていますね。

松永：そうなると、さまざまな場所で働くために必要な環境は「ネット環境」だけですか？

藤井：そうですね！ネット環境さえあれば。ネットが繋がって、治安がいい場所であれば、それで大丈夫です。治安が悪いと、スマホやパソコンが奪われますからね。前に一度バンコクでポケットに入れていたスマホを盗られかけたことがあります。伸びた手をパシッてはたいて、なんとか大丈夫でしたけれど。なので、基本的に危ないところは行きません。海外に行くときは、そもそも危ない場所を把握しておいて、絶対に危ない場所には近づかないようにしています。

松永：プライベート面の環境では、いかがでしょうか。普段奥さまと暮らされているなかで、旅行中離れていると、コミュニケーションが取りづらくなってしまうことはありますか？

藤井：妻とはチャットでこまめにコミュニケーションをとっていますので、とくに問題はないですね。テレビ電話で、顔をみて話したりもします。僕が海外に行っているときでも、一切連絡がない日というのはないんですよね。なにかしらでやり取りしているので、お互い寂しい思いはしていません。それに妻も仕事が趣味で、交友関係も広いので、僕が海外に行っているときは、遅くまで仕事をしたり、飲み会の予定をたくさん入れています。

松永：奥さまとのコミュニケーションにITツールを使うことで、距離の壁を超えているわけですね。壁と言えば、海外で働くとき言語の壁があると思うのですが、どうしているのですか？

藤井：言語の壁は、オンライン英会話サービスでの練習とGoogle 翻訳で超えてます。オンライン英会話サービスのおかげで、日常会話にはそれほど不便しませんし、単語や言い回しがわからないときでも、Google 翻訳を使えばなんとかなります。基本的に海外の観光地であれば、英語は通じますし。