現実的に考えて「多拠点生活」はアリ?仕事や生活のリアルを経験者に聞いてきました!
感染リスクが高い都市部だけではなく、地方にも生活の拠点を置き、複数の場所を行き来しながら暮らす新しいライフスタイルである「多拠点生活(マルチハビテーション)」は、コロナ禍における注目の消費トレンドのひとつです。
今回のパンデミックに端を発したテレワーク市場の拡大により、地方ではその受け皿となるワークスペースの整備が進み、多拠点生活向けのサブスクリプションサービスをリリースする企業も続々と登場しています。
本記事では、そんな多拠点生活の全容を大解剖。現在、都市部と地方で多拠点生活を実践中の塚﨑浩平(forent株式会社・代表取締役CEO)さんにインタビューを行い、経験者だからこそ語れるリアルなエピソードをお伺いしました。
forent株式会社 代表取締役CEO 塚﨑 浩平 様
山梨と東京で多拠点生活!富士山の麓でキャンプ事業を拡大中
▲富士吉田とその周辺には、forent株式会社が自社運営しているキャンプ場もあります♪
塚=塚﨑さん 筆=筆者
現在の多拠点生活のスタイル
筆 この度はお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございます。早速ですが、現在はどのようなスタイルで多拠点生活を送られていますか?
塚 現在のメイン拠点は、山梨と東京の2つです。以前は自宅がある横浜から、渋谷のオフィスまで通う生活を送っていましたが、今春から数か月間にわたり、富士山の麓にある富士吉田に滞在しています。ちなみに、登記場所のつくばにもオフィスはあるのですが、最近はあまり行きませんね。
筆 以前から複数の拠点があったのですね。現在は地方も交えた多拠点生活に切り替えられたとのことですが、どのくらいの比率で山梨と東京を行き来されていますか?
塚 本格的に山梨での活動を始めた4月上旬頃は東京が主な拠点でしたが、現在は逆転して8:2(山梨:東京)くらいの比率でしょうか。とはいえ、チームメンバー全員が同じライフスタイルというわけではなく、私を含めたアウトドア事業の担当メンバー数人は山梨、エンジニア陣は東京をメインに活動しています。
筆 担当業務により、各メンバーが最適な拠点で活動されているのですね。塚崎さんご自身も、拠点により業務内容を分けられているのでしょうか?
塚 そうですね。業務内容は拠点によって全然違います。東京に居る時は、お客様との商談や、社内外とのミーティングもなるべくWeb会議ツールで完結できるように業務を進めています。反対に、山梨では対面でのアポイントに力を入れていて、弊社が提供するキャンプ版のAirbnb『ExCAMP』の訪問営業に出かけている時間が多いです。正直、コロナ禍ということもあり、最初は対面でのアポイントに不安もありましたが、実際にこちらへ来て働くうちに安心感を覚えるようになりました。
多拠点生活を始めたきっかけ、現在のスタイルが定着するまでの経緯
▲『ExCAMP』では、遊休地・別荘をキャンプサイトとして登録したい不動産オーナー様を募集中です!
筆 ありがとうございます。それでは、多拠点生活を始めることになったきっかけも含めて、現在のスタイルが定着するまでの経緯について教えてください。
塚 山梨と東京を行き来する現在の多拠点生活に関して言えば、本格的に意識し始めたのは昨年あたりでしょうか。弊社はアウトドア事業のほかに、法人向けのデジタルマーケティング支援事業も展開しているのですが、昨年はちょうど2つの主要事業のバランスに苦慮している時期でした。元々はキャンプ事業の話で誘ったメンバーが、デジタルマーケティング支援事業にかかりきりになっていたり、なかなか上手くいかないことも多かったですね。そこに新型コロナウイルスの感染拡大が重なり、一度このタイミングで本腰を入れて、地方でキャンプ事業をスケールさせる方向に話がまとまりました。
筆 手広く事業を展開されているのですね。コロナ禍でのご決断は勇気がいる状況であったかと思いますが、当時を振り返って何か思うところはありますか?
塚 正直、今振り返ってみるとかなり思い切った決断でしたね。話がまとまった後は、山梨の県庁が主催するマッチングイベントに参加したのですが、そこで色々な方とのコネクションができたことも背中を押された要因のひとつです。運良くキャンプ市場も伸び始めていましたので、遊休地のシェアリングとキャンプ場の運営代行だけではなく、土地の仕入れや開発も手掛けるようになるなど、こちらへ来てアウトドア事業に色々と仕込むことができて良かったです。結果的に、デジタルマーケティング支援事業に忙殺されていたメンバーも生き生きと働けるようになりました。
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