簡単に繋がる時代だからこそ!地方のビジネスマッチングは交流が鍵
今でこそ地方移住やテレワークといった言葉も聞き慣れてきましたが、企業との雇用関係を持たずに個人で仕事を請け負うフリーランスは、比較的柔軟に働き方を選択することができ、地方移住やテレワークにチャレンジしやすい環境にあるため、以前から興味や関心を持つ人も多いのではないでしょうか。
これまでもフリーランスの多くは、全国のどこに居てもネットで簡単に仕事の受注ができる環境にありましたが、こうしたオンライン完結型の働き方にはメリットばかりではなく、当然ながらデメリットも存在します。
たとえば、いざ受注する仕事のタイプを切り替えようと思っても、地方でビジネスマッチングを成立させることは容易ではありません。そこで今回は、フリーランスが理想的なローカルライフを実現するために必要な、地方でのビジネス交流について解説していきます。
移住後の新しい仕事に対する意欲があるフリーランスは80%以上
画像出典元:『フリーランスの移住に関する意識調査』(ふろしきや)
まずは、フリーランスが移住後の仕事に対してどのように考えているのか、心理的な傾向を確認しておきましょう。移住を考慮していると回答した都市在住フリーランス750名へのアンケート結果をまとめた『フリーランスの移住に関する意識調査』では、回答者の80%以上が移住後の新しい仕事への意欲を見せています。
フリーランスといえば、特定分野の知識や技能に特化した専門職というイメージが強いですが、それを覆す結果となりました。
また、同調査では「事業者同士が協業する関係(商工会議所、コワーキング等)」が移住後の仕事で重視されていないというデータも算出されていますが、地方でビジネスマッチングの成立を求めるのであれば、移住後の仕事において自身が重視する条件と、地域の方との関係性について折り合いをつける必要がありそうです。
移住後の地域での協業を重視していない場合でも、まずは先入観を持たずに交流を図ることをおすすめします。
ネットのビジネスマッチングで不安に感じられていること
続いてチェックしておきたいのが、オンライン完結型の仕事に関する懸念点です。急速にフリーランス人口が拡大し、2020年時点で2,950億円の市場規模にまで膨らんだ国内クラウドソーシング市場(※オンラインのプラットフォーム上で企業・個人が不特定多数のワーカーに仕事を発注する業務形態に関連する市場)では、数々の課題やトラブルが報告されています。
もちろん、必ずしもネットのビジネスマッチングに問題があるというわけではありませんが、不安点について理解を深め、今後の営業活動に活かしましょう。
依頼内容が明確でない
依頼者側の発注スキルが不足している場合には、仕様設定などが曖昧なまま打診されることも少なくありません。ただ、社内に専門職がいない場合に行うアウトソーシングではよく見られる例なので、受注側も積極的にヒアリングを行うなど互いに歩み寄る姿勢が必要でしょう。
打診内容と依頼内容に大きな乖離がある
打診内容と実際の依頼内容に大きな乖離があるというパターンは、ネットのビジネスマッチングにおける典型的なトラブルです。打診時のやり取りがテキストベースである場合にはそこまで複雑化することはありませんが、口頭の場合には水掛け論になってしまう可能性があります。やり取りが終わった後に文章で連絡をし、打診内容の再確認をしておくと安心でしょう。
発注者と連絡が取れなくなってしまう
どちらかと言えば、連絡が取れなくなってしまうのは受注者側に多いイメージですが、中には発注者側の連絡が途絶えてしまうケースもあるようです。契約を結ぶ前に、可能な限り発注者の企業情報などをチェックするクセをつけておきましょう。
納品後の修正が多い
納品後の修正回数に関するトラブルも、よく聞く話ではないでしょうか。本来であれば好ましくありませんが、契約書を交わさないままプロジェクトが進んでしまうケースもありますので、修正回数を含め、事前の取り決めをしっかり行うことが自衛につながります。
著作権の取り扱いが明確でない
著作権に対するモラルは、インターネット時代には必要不可欠です。依頼内容に著作権の取り扱いに関する項目が含まれていない場合には、納品後の不要なトラブルを避けるためにも、必ず着手前に確認するようにしてください。
環境は変われど課題解決の方法は変わらない
依頼から納品まで全ての工程がオンラインで完結するようになっても、オフラインでの仕事と変わらず、互いに安心できるビジネス付き合いを実現するための重要事項はコミュニケーションです。
特に長期的な信頼関係を築くためには、互いの顔を知っているという条件は欠かせません。また、知り合いがいない地方で新たな生活をスタートする場合には、プライベート面においても人とのつながりは大切です。交流を深められる場があれば、ぜひ積極的に活用していきましょう。
【参考事例】地方で開催されている交流イベントに参加しよう!
▲過去開催時の様子(2020年4月以前に撮影されたものです)
地方で理想的なビジネスマッチングの成立を目指すなら、オンライン、オフラインを問わず、交流イベントへ参加することが最も手軽な方法です。
今回は、参考事例として山梨県富士吉田市にある「ドットワーク富士吉田」の定例イベント『.work BAR』をご紹介します。
同イベントは、お酒を片手に語り合う、参加者を問わない交流会です。コワーキングスペースが主催しているということもあり、参加者同士、参加者と主催者でビジネス上の交流が盛んに行われています。
▲オンライン開催時の様子
ゲストが店長として登壇したり、ゲームで盛り上がったりと、毎回テーマが異なるため、何度リピートしても楽しめるのが魅力。地域外に居住する施設利用者も多く、世情によりオンラインで開催されることもあるため、全国各地の人とつながることができます。
また、施設の周辺は観光地となっているため、ワーケーションも兼ねて参加してみるのもおすすめです。
地方に移住するならビジネス利用がしやすい地域を選ぼう!
今回ご紹介したように、地方にもビジネスマッチングへとつながりそうな交流イベントはありますが、やはり都市部と比べると母数は少ないです。そのため、地方に移住・滞在する場合には、交流イベントの開催が少ない地域でも、事業者同士の交流が盛んであるかなど、コミュニケーション環境を重視して候補先を選ぶと良いでしょう。
実際、信頼に足るような出会いがないだけで、地方で優秀な人材を探している企業も少なくありません。ぜひチャンスを逃さずに、理想的なビジネスマッチングを成立させてください。
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