旅をしながら働いている「IT弁護士」にきく「ワークアズライフ」の働き方とは(2)
インタビュー時の様子
※動画内容は、1回目の記事内容と2回目の記事内容の両方で構成されています。
テーマは前回に引き続き「旅をしながら働いている「IT弁護士」にきく「ワークアズライフ」の働き方とは」です。
*前回の記事
旅をしながら働いている「IT弁護士」にきく「ワークアズライフ」の働き方とは(1)
取材に応じてくださったのは、弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士の藤井総さんです。
▲代表弁護士 藤井総さん
ライフとワークの境界線について
松永:では早速、「ライフとワークの境界線について」お話を伺います。ライフとワークの境界線を設けることと、設けないことではどのような違いがあるのでしょうか?
藤井:そうですね。2つを比較する前に、仕事には大きく分けて3種類あることをおさえておくことが大切です。
その3種とは、「バックオフィス」「スペシャリスト」「クリエイター」です。
「バックオフィス」は基本的にマニュアルに沿う仕事です。誰でもできる単調な作業を繰り返すので、将来性は高くありません。また、仕事はあくまでも労働であり、お金を稼ぐ手段にすぎないと捉えられがちです。
「スペシャリスト」とは専門職の仕事です。仕事をするのに高い専門性が要求されるため、誰でもできるものではありません。ただ、自分のスキルが資産になるので、キャリアを積み重ねてスキルを高めることで、ステイタスや収入を高めていくことができます。
「クリエイター」はクリエイティブな仕事です。優れた才能が必要になるので、努力だけではどうにもならず、成功できる人は一握りです。ただ、ステイタスや収入とは関係なく、仕事そのものが楽しいから仕事をすることができます。
自分にとっての仕事を「バックオフィス」「スペシャリスト」「クリエイター」のどれと捉えるかによって、仕事に対するスタンスも変わってくると思います。バックオフィスの場合、ライフのための手段が仕事なので、ライフとワークの境界線は強く引かれることになります。まず仕事が先にあって、そこで得たお金を使って、余った時間で楽しいことをすることになってしまいます。
その一方で、スペシャリストやクリエイターは好きで仕事を選んでいるので、あえてライフとの境界線を引かなくてもよくなります。スペシャリストからしたら自分のキャリアが高まっていくわけですし、クリエイターからしたらそれ自体が自分の楽しみに直結しているわけです。
松永:藤井さんの仕事は「スペシャリスト」に当てはまりますか?
藤井:僕は、スペシャリストとクリエイターの中間くらいだなと思っています。一般的に弁護士やコンサルタントはスペシャリストが多いですが、僕の場合はITを活用した新しい働き方を世の中に広めていきたいと思っていて、積極的に情報発信をしています。なので、スペシャリストでもあり、クリエイターでもあると捉えています。
松永:そうなのですね。今までライフとワークのバランスをとることによって仕事をするのだと思っていたので、新しい視点でした。
藤井:昔は、「ワーク&ワーク」のような、仕事が最重要視される生活が主流でしたよね。それが、やがて「ワーク&ライフバランス」が必要なのではないかという考え方になってきました。これからは、「ワークアズライフ」の考え方がトレンドになると思います。ライフとワークが渾然一体になった働き方という考え方です。
松永:ワークアズライフの働き方はまさに藤井さんが実現されている働き方だと思うのですが、ワーク中の時間割というか、1日でこの仕事をこの時間にやるという計画を立てていますか?
藤井:100%これでいくというのは、決めていません。だいたい、朝から仕事を始めて夕方あたりまでは集中して仕事しています。ですが、その間でどこかに行くこともあります。平日の日中に美術館に行くとか。鑑賞している途中でクライアントから相談のチャットがきたときは、館内にある椅子に座って、パっとチャットを返して、ひと段落したら鑑賞を再開します。予定が特にないときは、夜寝る直前まで仕事をしているときもあります。本当に起きているときは仕事と生活が渾然一体です。
松永:なるほど! ワークアズライフの働き方は、仕事とプライベートの両方をどちらも全力で楽しむ「生き方」であると感じました。
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