山梨県の無人ワークスポット&富士山にゆかりある宿でテレワーク!

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富士山や富士五湖といった豊富な観光資源を有する山梨県ですが、昨今では、コロナ禍で需要が高まるテレワークを前提とした地方移住や、ワーケーションの候補先としても脚光を浴びています。

そこで今回は、県内の人気観光地である富士吉田市に滞在し、市内の施設で実際にテレワークを体験してまいりました。利用したワークスペースのリアルな使用感や、滞在先の様子などを、リモートワーカー歴3年の筆者が包み隠さずにお伝えいたします。

働く場所や住む場所として地方をご検討されている方は、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

絶景の富士山ビューシティ!山梨県・富士吉田市の魅力とは?

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▲市内にあるコワーキングスペース「anyplace.work 富士吉田」から見た富士山

市内を含む周辺一帯が人気観光地でありながら、新宿から高速バスを利用して2時間程でアクセスが可能な利便性も兼ね備える山梨県富士吉田市。富士山麓の街というだけあり、市内の至る所から迫力ある富士山の姿を望むことができます。

古くより甲州街道の支道や、富士登山の吉田口における宿場町として栄えてきた歴史があり、現在も変わらずに数多くの宿が点在する市内は、滞在先に事欠かない環境です。

さらに近年では、「地方には限られたワークスペースしかない」という固定概念を取り払うかのごとく、続々と快適なテレワークスポットが誕生。気分や利用用途に応じて、1つの街の中で働く場所を使い分けられる環境は、リモートワーカーにとって魅力的であると言えるでしょう。

働く場所のニュースタンダード 無人コワーキングスペース「.work ANNEX」

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▲同ビル内の他フロアには、ワーケーションや地方移住視察などに便利な短期滞在拠点もあります

今回のテレワーク体験では、昨年末にオープンしたばかりの無人コワーキングスペース「.work ANNEX」さんをワークスペースとして利用させていただきました。当施設は、ここから徒歩7分の場所にある有人コワーキングスペース「anyplace.work 富士吉田」さんの姉妹施設としてオープンされたとのことで、利用用途や気分に応じて使い分けもできるうれしい立地です。

さっそく、事前発行した暗証番号で出入り口のスマートロックを開錠して施設内へ。入退室の管理には「anyplace」という打刻ロケーションシステムが用いられており、スマートフォンのアプリを操作するだけで、受付対応もなくスムーズに入室ができました。

開放的な雰囲気が漂うフロアは、「デスクワークエリア」と「コミュニティエリア」の2つのスペースに区切られた空間設計となっており、施設内においても働く場所を選択できる環境です。

デスクワークエリア―集中して業務に取り組みたい時におすすめ

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▲使い心地やサイズが異なる数種類のデスクとチェアがあり、チームでも利用しやすそうな環境です

まずは、集中力が必要なタスクを消化するためにデスクワークエリアへ。複数のデスクとチェアが用意されており、サブディスプレイも使用したい時はスペースが広めのデスク、数人でプロジェクトのすり合わせをしたい時は円卓など、幅広いシチュエーションに利用できそうな仕様でした。

筆者のお気に入りは、画像左奥にあるサイドテーブル付きのリクライニングチェア。角度の可変域が広く、体の疲れ具合に応じて姿勢を調整しつつ作業ができるためおすすめです。

取材当日は、運よく筆者ひとりの貸切状態の中、静寂に包まれながら、限りなくディープワーク(※1)に近い状態で集中してテレワークを行うことができました。

※1 ディープワーク...精神的な努力を多く要求し、精神的にも肉体的にも気が散るものがないゾーンで行われる仕事(参照元:『Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World』カール・ニューポート著)

コミュニティエリア―ブレイクタイムの交流におすすめ

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▲ソファやドリンクコーナーがあり、利用者同士で団欒を楽しめる居心地が良いエリアです

休憩中は、ゆったりとしたソファでくつろげるコミュニティエリアで過ごしました。こちらの空間は、食事や会話など、利用者同士のコミュニティ育成を重視されているエリアとのこと。ドリンクコーナーや電子レンジも完備されており、長時間の作業でも、メリハリをつけて快適に利用できそうな環境です。

今回は残念ながら交流できませんでしたが、ローソファ(上記写真左)の座り心地があまりにも筆者好みであったため、こちらでも少しだけ仕事をさせていただきました。リラックスしながら作業ができますので、デスクワークエリアとは対照的に、あまり乗り気がしないシャロ―ワーク(※2)を片付けたい時におすすめです。

※2 シャロ―ワーク...注意散漫な状態でも行える仕事(参照元:『Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World』カール・ニューポート著)

感想―秘密基地のような空間と自由度の高い作業環境がベストマッチ

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▲施設内にある「旅人ノート」には、過去に訪れた方の感想や観光情報が記されていました

無人コワーキングスペースの利用は今回が初めてでしたが、想像以上に快適なテレワークを行えました。入室には暗証番号が必要ということもあり、さながら秘密基地に入る時のようなワクワク感と自由度の高い作業環境が魅力的なワークスペースです。

まだまだ色々な利用方法を模索したい気持ちは残りつつも、今回の取材で筆者が感じたテレワークスポットとしての利点をまとめておきます。

~おすすめPOINT~
・自身の体に合わせてデスクとチェアを選べる
・限りなく人との接触を抑えて利用できる
・別室にミーティングルームがありビデオ会議も安心
・エリアの使い分けで仕事中のオンオフが切り替えやすくなる
・テレワークに必要な備品と設備が充実している

富士吉田市に伝わる"富士山信仰"の文化を守る宿 「富士山北口御師 菊谷坊」

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▲富士山信仰の文化を支えてきた「御師の家(おしのいえ)」をリニューアルしたゲストハウスです

仕事がひと段落した後は、日が落ちる前に滞在予定の宿へチェックインしました。利用したワークスペースからは徒歩10分程でしょうか。施設を出て目の前にある道を富士山の方向へ向かってまっすぐ進むだけで着きましたので、施設間の移動もスムーズにできたように思います。今回お世話になった宿は、ワークスペースとして利用させていただいた.work ANNEXさんの提携施設である「富士山北口御師 菊谷坊」さん。

古来より富士山を信仰し修行を行う「道者(どうしゃ)」と呼ばれる方々、そして道者の組織である「富士講(ふじこう)」が富士登山や祈祷のためこの地へ訪れた際に、受け入れ先として彼らの信仰と修行を支え続けた「御師の家(おしのいえ)」を、2019年10月にゲストハウスとしてリニューアルを行い営業されています。

最盛期には市内に約90軒の御師の家があったそうですが、現在も営業されているところは約5軒を残すばかりとのこと。今なお当時の面影が鮮明に引き継がれており、まさに富士吉田市ならではといった風格ある宿です。

コミュニティスペース―オールマイティに利用できるゆとりある広間

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▲宿に訪れた富士講からの貴重な寄贈品等も展示されており、同市の起源を感じることができます

お部屋に荷物を置いた後は、担当者の方に展示品や歴史にまつわるお話を色々と伺いながら、館内を一通り見学。この街のルーツを肌で感じられる貴重な体験ができました。富士山北口御師 菊谷坊さんでは館内見学のみの利用もOKとのことなので、日帰りの出張やワーケーションで富士吉田市を訪れた際には、スキマ時間に観光で足を運ぶのも良さそうです。

何やら感慨深い気持ちに包まれながら、そのまま1階のコミュニティスペースでまったり。元々は御師の家として営業されていただけあり、複数の部屋から成る広々とした空間は、チーム利用や利用者同士の交流など、多様なシーンで活用できそうなキャパシティでした。

筆者は滞在中にこちらでも軽く仕事をさせていただきましたが、ソファやチェア、畳といったように、姿勢を変えつつ無理なく作業を続けられる環境がとても心地良かったです。

4人部屋「富士見」―時の流れが穏やかな、趣ある落ち着いた空間

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▲つい滞在期間を延ばしたくなるような、歴史ロマンを感じる心落ち着くお部屋です

コミュニティエリアでの作業が想像以上に捗り、当日のタスクを早めに片付けることができましたので、お風呂の時間までお部屋でくつろがせていただくことにしました。味のある広縁を見て思わず原稿を書きたくなる衝動に駆られたりもしましたが、何とか気持ちを切り替えてひとまず小休止。

趣を感じる建物の造りが、雑念を追い払うような雰囲気を醸し出していたためでしょうか。体を休めつつも、頭では思考が研ぎ澄まされるような感覚を覚える贅沢なひと時でした。

ビジネスプランをブラッシュアップしたい時や、大量の企画出しが必要なタスクを抱えている時など、クリエイティブな思考が求められるシーンには最適な環境です。

浴室―1日の終わりは、木の香りと充実したアメニティで気分爽快

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▲広々とした湯船にじっくりと浸かり、仕事で疲れた心と体をリセットできました

1日の終わりには、これまたくつろげる木風呂に浸かって体の芯から温まり、疲弊した心身を回復。浴室内の快適さもさることながら、特筆すべきは充実したアメニティを無料でご提供されている点です。

一般的なゲストハウスでは、有料で提供されていることもめずらしくありませんが、富士山北口御師 菊谷坊さんの無料アメニティは、ほぼ手ぶらで訪れても問題なく滞在できるほど豊富に取り揃えられています。

こうした細やかなおもてなしに心が和み、うれしい気持ちを抱えたまま眠りにつくことができました。

感想―まだ居たくなる、また来たくなる風雅なゲストハウス

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▲展示写真から、歴代の富士講の方々や、時代とともに変遷する市内の様子をご覧いただけます

心地よい空間に包まれながら滞在できましたので、翌朝はいつもよりスッキリ目覚めることができたように思います。今回の取材では1泊の滞在となりましたが、ぜひ中長期の滞在でまた利用させていただきたいと思えるほど素敵な宿でした。

今回の取材にご協力くださった.work ANNEXさん、富士山北口御師 菊谷坊さん。富士吉田市ならではのテレワーク体験をさせていただき、本当にありがとうございました!

山梨県・富士吉田市への移住は、支援制度を活用しよう!

両施設の利用者さんからは「快適なテレワークができる環境が整っているだけでなく、滞在時に必要なお店や施設がコンパクトにまとまっていて便利な街」という声も挙げられている富士吉田市。また、「定住促進奨励金制度」や「富士吉田市移住支援金」など、移住に関する支援制度が充実している点も魅力的です。

同市へのふるさと納税の返礼品としてワーケーションが体験できるプランもありますので、まずはお試しで富士吉田市に訪れてみたいという方は、ぜひこちらをご活用ください。

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・所在地
〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田1-10-12 深澤ビル2F
・お問い合わせ先
【anyplace.work 富士吉田】
TEL:050-2018-2343(電話対応時間:平日9:00₋17:30)
MAIL:https://anyplace.work/contact/
ホームページ:https://anyplace.work/

富士山北口御師 菊谷坊

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・所在地
〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田5丁目12-7
・お問い合わせ先
TEL:0555-22-5994
MAIL:oshinoie.kikuyabou@gmail.com
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40315lldxc
ホームページ:https://makibisi09.amebaownd.com/

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